時空を超えて

2日間4公演、東京都交響楽団との音楽鑑賞教室を終えた。子供たちの元気な声が戻ってきた。北区と台東区の小中学生に、親愛なるオケの演奏を届けられることはこの上ない喜びだ。北とぴあは滝野川の子供の合唱団を教えていた頃からの馴染みの空間。上野の文化会館は、客席から見る舞台と音と空間の広がりに感動した小学生の頃を思い出す。その頃はまだ上野の舞台に立つなんて思い描いてもいなかった。指揮台で感じる都響さんの深いサウンド、そこから背後に広がる空間は本当に素敵だなと改めて実感する。矢部さん率いる都響の皆さんに今日も感謝。子供たち、音楽っていいなぁ、って思って帰ってくれていたらうれしいな。都内脱出に少しもたついたが、雪の壁を横目に関越道を北上、無事時刻前に見附のホールへ。年末に3年ぶりの第九をご一緒した合唱団と再会。30年のお付き合いも新たなステージへ。ここから巣立って教壇に立ち、音楽を伝える後進がいることを思えば、やはり継続は大事だ。集う団員の元気を増強させ共有できる空間でありたい。引き続き磐越道から東北道、眠そうな運転をしているトラックを交わしながら総走行620km、無事仙台の別宅へ。室温4度って、壁付いてんのかい!今日の出会いに感謝。

またひとつ。

大学音楽棟にある庭は2年ぶりに少しだけれど花で今年の新入生を迎えた。暮れ押し迫った頃に忘れらえかけていたチューリップの球根を植えておいて良かった。一斉に可愛らしい色とりどりの花をつけた。少しだけゆっくり歩いて見てまた次の授業へ向かう。つかの間の時ながら、一日でも長く咲いていて欲しいと願う。またひとつ歳を重ねた。覚えていて下さった方からLineやメールを頂戴する。どうもありがとうございます。コロナから2年、まだまだ何も変わってはいない。忍耐の時は続くようだ。そしてあれから2ヶ月、非道極まりない現況にやるせない。戦争を止める手はないものか。これ以上望まない死を増やしてどうするのだ。耐え忍ぶ人々と残されて生きる人たちに寄り添いたい。その想いも7月10日の「ドイツレクイエム」に込めることになろうか。

またひとつ。

春の陽気。この1週間はかつての時が動いたような感覚を持った。1年ぶりの鯉のぼりを出して泳がせる。いつもより早いのだけれど、連休もあっという間に来るのだろう。少しでも陽の光と春の風を浴びさせてあげたかった。息子の遠足のために公園へ送る。人数制限のためにひとり別行動散策。そんな散歩はいつ以来だろうか。欲しているのだけれど、何故か足が向かずにいたようだ。緑は心を浄化してくれるものだ。必要なんだな。仙台の勤務地はチューリップが良く咲いた。そこに学ぶ在学生と今年の新入生を花で迎えてあげたかった。昨年の今頃は、次の春は活動の再開を信じていたけれど、なかなか無情なものだ。それでも、まずは意識から次に向けて何かを動き出させなければ。またひとつ歳をかさねた。思いがけず、覚えていて下さった方からメールを頂く。日常に感謝。

見附のピアノフェスティヴァル

観客を迎えてのステージはいつ以来だろうか。タキシードに袖を通す感触、スポットライトの中を歩く感覚、共演者と音を生み出す緊張感、どれも特別ながら日常でもあったはずのそれら全ての感覚が呼び覚まされる。フェイスシールドをつけながら、真剣勝負の時間を共有する。本当はこのホールで、もうすぐ「第九」が行なわれていたであろうことを思うと、無力感に苛まれる。前日は、夜にかつて行き付けだった駅前のお店で美味しい魚を頂いた。これから足を運ぶことも少なくなってしまうのだろうか。毎週月曜日に大事にお付き合いさせて頂いて来た合唱団の練習を終え一人反省会をしていた頃を思い起こす。ライトを消すと真っ暗闇になってしまう関越道を走らせる。今日の小さなピアニストたちには、音楽を一生の友達にして欲しいと願うばかりだ。メンデルスゾーンの3重奏、良かったなぁ。23日

感謝をもって 

平成最後の日。昭和に生まれて学生時代の終盤に平成を迎え、それから30年余、時系列を辿って思い起こすと余りにも感慨深いものがある。今年に入って、休みらしい休みも取らずに走って来て、いよいよ年齢を重ねて、これからの歩みへの自身と向き合うようにと、今日はそんな時間を与えて頂いたような気もする。20代、そして30代40代の人生のターニングポイントの中でも、コンサートにお運び頂いた皇后陛下美智子さまとの出会いと頂いたお言葉は非常に大きなものがあった。お目に掛かってお話しすることが無ければ、今の生活はまるで違っていたものになっていたかも知れない。皇太子殿下との出会いもまた、それまでに出会った方たちとのご縁からのもので、天皇になられた後も、環境が整った暁にはいつの日かまた舞台でご一緒できることを願うばかりだ。いつも、国民に対して深いいつくしみをもって接しつとめて来られたことに、心からの感謝を。両陛下の安寧を祈りたい。生きることの難しい現代ながら、今ある平和な日常のありがたみを感じつつ、さあ、新しい時代、平和な時代を迎えたい。

学位授与式

今の大学に通い始めて4年、一緒に入学した4年生が卒業式を迎えた。私の役割ではいくつかの授業でのお付き合いだったが、いろいろな思い出がよみがえる。それはそれは感慨深いものがある。巣立って行く卒業生一人一人の前途が明るく幸せなものでありますように。

ソニーフィルさんとの演奏会

再びお呼び下さったソニーフィルさんとの定期演奏会。愛すべき団員さんの直向きさとその雰囲気の中、名曲コンサートのようなプログラムをすみだトリフォニーで。ベートーヴェンはやはり難しい。オーケストラのこれからの可能性が広がるきっかけとなったなら、という思わず感じさせてくれる、楽員さんの奮闘ぶり。今回、久々に演奏会に母が足を運んでくれ、姉兄が揃って聴きに来てくれた。亡き伯父はかつてソニー関連企業に勤めていたことも、亡き大賀会長とのご縁も大切なものだ。オーケストラのますますのご発展を。出会いに感謝。

新春パーティー

あけましておめでとうございます。新年を迎え、諸事に追われずいぶん時間が経過してしまった。マネージメントをお願いしている(株)ジャパン・アーツの新春パーティに久々に参加した。アーティストはもとより、プロオーケストラ、主要ホールに出版広報関係等々、様々な方たちが集う。今や業界でも大きな役割を担う存在となった代表取締役社長、N氏は大の友人であり、参列者に対するスピーチは実に見事だった。誇らしい気持ちになれたのも、彼の直向きな仕事ぶりと情熱を長く見てきただけに、色々な意味でこの業界が明るいものになって欲しいと願わずにはいられない。そう思いながら、同時に招聘オーケストラやオペラ、国内のプロオケの華々しいラインナップや活動を見聞きしつつ、果たして5年後、10年後、そして20年後、どのプロダクションもこれまで以上にたくさんの聴衆を得て、活動が成り立ってゆくのだろうか、と心配をする気持ちも大きくある。特に少子高齢化の現代において、近年担わせて頂く青少年の芸術鑑賞コンサートや、地域の教育プログラムの重要性は、ますます高まるに違いない。お声掛けいただくひとつひとつの本番を大切に務めたいと、また、決意を新たにする1日だった。

 

宮城学院女子大学聖歌隊TV出演

宮城学院の聖歌隊が仙台放送さん(フジ系列)の夕方の報道番組に生出演しました。

期間限定、どうぞご覧ください。


仙台放送HP→

 

http://ox-tv.jp/nc/p/article.aspx?t=w&d=20181221&no=21

 

フジテレビローカルタイム→

 

http://www.fnn-news.com/localtime/miyagi/detail.html?id=FNNL00069705

 

 

学生のみんなは、生き生きと歌っていました。何よりです。

フジ系列さんとのお仕事は実に25年ぶり。いわゆるバブリーな時代のトレンディドラマ「素顔のままで」の最終回に中森明菜さんへ指揮棒を持ちながらエールを送る指揮者役で出演したのを懐かしく思い起す。どんだけ、昔の話や!

聖歌隊!、来年もいろいろと取り組んで行こう!

 

Mo. ロジェストヴェンスキー讃

リハーサルの際に幾度となく小生の方を振り返っては「どう、良い音楽でしょう」とも、時に、仕込んだ合唱がお気に召さないのか「どうしたの?」と言わんばかりに視線を送って来られる。来日の際には合唱指揮や副指揮者としてお付き合いさせて頂き大変可愛がってくださった愛すべき巨匠、マエストロ=ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーは87歳で召された、との報せを受けた。また一人巨匠が逝ってしまった。真摯に音楽と向き合われる姿、茶目っ気たっぷりに音楽ってこんなに楽しいじゃないか、と、名演を数多く残し、我々に語り掛ける名匠とは特に、読売日響さんとの2005年、第441回定期演奏会でタネーエフのカンタータ第2番「詩篇の朗読」の合唱を仕込ませて頂いたことは懐かしい。赤坂でご一緒に日本酒を傾け、ウィットに富んだ楽しいお話を伺ったり、もう10年近く前になるだろうか、NHK・FMでマエストロの特集番組を司会させて頂いたことも思い起こされる。淋しいなぁ。出会いに感謝。合掌。

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