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平和への道程 演奏会 御礼 

街路のつつじが美しく咲き誇る中、長岡市立劇場で行われました、Karl Jenkins「平和への道程」演奏会では大勢のお客様にお運びいただきまして誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

坂本朱さんの深いうたごえと、東京シティフィルの皆さんの機動力溢れるアンサンブルに始まった第1部に続いて、後半のプログラム、足掛け4年に亘る準備を経て初演を致しました「平和への道程」は、ソリストとオーケストラ、そして優秀なスタッフに支えられ、親愛なる長岡フェニックス合唱団の皆さんによる直向な歌声によって無事、成功裡に終えることが出来ました。

作品のメッセージに託されたものは、実は重く永遠のテーマのようなものでありますが、ジェンキンスの音楽の妙によって会場のお客様、出演者・スタッフ皆でその想いを共有できた瞬間ではなかったかと思います。

日本における初演を篤く見守って下さった作曲者、カール・ジェンキンスや著作出版元、英国ブージー・アンド・ホークス社をはじめ、各方面に多大なご協力とご関心を持っていただき、主催者である(財)長岡市芸術文化振興財団にとりましても、この度のような形の公演事業として発信できたことは長岡の合唱、音楽を愛する市民の皆様とともに築きあげた意義ある1ページとなったことと考えております。この愛する長岡の町からの公演を様々な形で発信を下さいました全ての方々に対し、財団に関わる一人として、心から厚く御礼を申し上げます。

公演の2日前、東京シティフィルの皆さんとのリハーサルのためにティアラ江東に向い、1年前の3月11日と全く同じように穏やかな天候の中、しかしあの時の状況が思い起こされ身震いが止まらずただただ、まず初日の無事リハーサルが終えられるようにと願ったものです。

あの多くの尊い命が失われた震災から14ヶ月が経ちました。震災後、仙台をはじめ、仰せつかっていた公演が次々と中止となり以来ずっと、どこか息の詰まるような日々でした。たまたま自分は生かしていただいて、今指揮台に立つことができ、多くの皆様に支えられて一つの公演を果たせたことが、どれだけありがたいことか、言葉では上手く表せない感謝の念に満たされています。

舞台でトルコ大使館からお出でいただいたイマームの礼拝への呼びかけの声に耳を傾けながら、深い信仰心を持って日に5回祈りを捧げる彼らを思い、その信ずる大いなる存在は何であれ、私たち人類の殆どは日々の穏やかな幸せを願っていることを改めて感じておりました。
他国の治安を守るためと云ってはそこで毎年何千という命が失われ、未だ同胞であるはずの民族内で壁をつくり、憎しみの連鎖は続いています。否定から喜びは生まれない。わたくしは世界の平和を訴えて行きたいと思います。被爆した日本で、人類が生み出した物質の統御も出来ずに平穏な暮らしも脅かされる今日、これまでとも違う別の脅威と戦わなければならない現代において、わたくしにできることは、なお音楽をすることでしかない、と、また意を新たに致しております。

13曲目終曲で舞台天井に、照明による「花火」が見事に打ち上がりました。一つの公演を通じてお客様と共演者の心をつなぐ、その極めて尊い現場を支えるスタッフ。これまでご尽力下さった(財)長岡市芸術文化振興財団の市川直記さんをはじめ、財団職員、舞台、照明全ての関係者の皆様にこの場で厚く御礼申し上げます。

この度の公演を通じて出合えたすべての皆様に感謝をいたします。

            2012.5.20                        船橋 洋介 

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