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夜の歌

ベルリンも今日は日中31℃まで上がる。こちらに来ることを楽しみににしていたビールの消費が再び上向き傾向に転じる。ただ旨くて安いと単純に楽しんでいたのだが、ものの本に拠れば成る程、ビールは嗜好品ではなくて基本的食料に分類され「生きるために必要なもの」と考えられているそうだ。素晴らしい。確かにおびただしい種類の飲料水と同等にどこのスーパーでも扱われていて、全ての銘柄を試すには時間が掛かリ過ぎる。最近ではRadebergerの他にWarsteinerを好んで頂いている。500ml瓶で60~70セント、高く見積もっても80円となれば、日本でヱビスを有り難く頂いているのが何だかなぁと思ってしまう。こんな日は洗濯物を大量に干し、まだ陽もかげらない炎天下の中を久々のフィルハーモニーへ。ラトルとベルリンフィルの今シーズン最初の公演はマーラーの第7番。気合十分の好演。今日も日本から押さえておいた席は残り2枚のうちの1枚。第1ヴァイオリンの手前、指揮者とコンサートマスターの関係が良く見えるような席で、きっと世界に同時放映されている「デジタルコンサートホール」に上手から一緒に映っていたかもしれない。そんなことはどうでも良く、ラトル氏の手中にある作品ながらこの第1級のオーケストラとその瞬間に膨大な対話を見せ合うことが出来る、信頼関係は相当成熟してきて居る証だろう。身近な例で言えば目の前に居るヴァイオリンの音色の統一感、ごく細やかな表情まで集め合うその力は実に見事で、何度か会話を交わしたバストロンボーンのシュルツ氏の幾つかのソロに見る、個々の高いクオリティーに裏打ちされている。80分を越す作品がむしろ短く感じられる今宵の演奏会。特に1楽章の調性が崩壊しかける音楽もディテールの鮮明な描き出しから明解になる。公演後コントラバシストの引退を皆が称える。バスに乗ってポツダムプラッツから家に向って真っ直ぐ南下、街の夜景を見ながら今宵の余韻に浸る。 

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