隅田川の花火
今宵は「隅田川の花火」江戸中期に始まった関東随一の歴史的な花火大会、夏の風物詩。あれ?ここはベルリン。一夜あけて10度ほど気温の下がるベルリン、きっと昨日を境に秋に向って一気に加速するのではないかな。さて旅行客で賑わう週末の市内、今日は「べるりんねっと789」で知った催し、これは隔年なのかな、今宵のみ市内の博物館美術館を全て夕方から深夜2時まで一律料金で開放しているフェストに足を運ぶ。各館では音楽会などもある。選んだ先はポツダマープラッツに近いMartin-Gropius-Bauで「Hokusai」を観る。440点と言う日本で一同に観るのも難しい傑作の数々。恥ずかしながら殆ど葛飾北斎に関する知識も持ち合わせていなかったのだが、米誌「ライフ」のこの1000年の間に世界で最も鉱石を上げた100人の17位にランクされていると言う評価も得る。膨大なコレクションと有名な「富岳三十六景」などそれはそれは彼の世界の引きずり込まれていく。ベロ藍といわれる深い青の顔料やその色彩、筆致には説得力があってドイツ人を唸らせる。そこで出合った隅田川の花火、ここであたかも日本の薫りに触れることが出来るとは思っても見なかった。実はまだまだ見応えのある美術館博物館は数あり、計画を立てて足を運びたい。日本では考えられない何とも憎いこの企画、ルートごとにバスまでチャーターされている。有る種の感動を覚える。悔しいけれど東京じゃ出来ないだろうな。日独交流の合唱団が知人の小林さんの指揮で日本の歌を披露。ドイツ人がまた、奇麗な日本語で歌うのを聴いてこれまた感慨深いものを感じる。遅くなったのでこういうときに食べたくなるカリーブルスト屋は工事も進まず、よなよな麻婆豆腐などを作る。伝統と革新的なものが犇めき合うここベルリン、まだまだ魅力を探りたい。今宵は同時に日本をもっと知らなければと反省もする。ひと月遅れで行われた東京の花火、それもまた奇遇なことだ。バンザイ富士山、バンザイ北斎。
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