ヴァルトビューネ バレンボイムの第九
穏やかな日曜。初めて訪れる地は然程遠くなくてもやけに時間が掛かって感じたりするものだ。毎年6月にあるベルリンフィルの野外音楽会は悪天候で珍しく中止延期に。今日はそれとは別にバレンボイムの第九を聴きに出掛ける仕度をする。そのベルリンの森の会場へは家から12キロ足らずだった。電車で35分、そこからてくてく歩いて行く。しかしでかい。物凄い数の人。文献に拠れば1935年ヒットラーが古代ギリシャの野外劇場をイメージして建設させたとののこと。日本からサイトで取ったチケットは舞台に程近い席。マエストロも良く見えそれはよかったのだが、PAがやけに近く、後方に広がるすり鉢状の客席22,000人へ向けるスピーカー群の強烈な音に体力を消耗する。残念ながらバランスはあってないようなものだ。ベートーヴェン8番の交響曲を前座に、休憩を挟んでアンナ・サミュエル、ヴァルトラウト・マイヤー、ペーター・ザイフェルト、そしてルネ・パーペに歌劇場合唱団と申し分ない布陣。第九はマエストロの独擅場。本番前から出来上がっているオヤジ達でも、演奏と共にぴたりと静寂が生まれる。楽章ごとに拍手があがれば、う~んもう分っちゃいないんだから見たいな小さなざわめき。子供の泣き声が一つあったかどうか。雰囲気を味わい演奏にいろいろ新たな発見を得て、人ごみにもまれながら家路に。夕食はいつものカリーブルスト屋で済ませよう、と思ったら、張り紙。建て替えらしい。これを楽しみに来ていた連中と顔を見合す。家でソーセージを焼いてビールを頂き本日も無事終了。しかしいいなぁ、あの雰囲気。
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