ベルリンの味
ベルリンに移り住んでひと月余り、あの頃が嘘のように木々が色づき新緑に満ち溢れる街並み。
既に演奏会にも幾つも足を運び、本来ならベルリンの「音」と行きたいところだが、語るのは未だ時期尚早なようだ。それだけこの地にあるオーケストラを聴いただけでも余りにも多様かつ複雑な歴史や背景があってドイツの伝統とか、ベルリンフィルの音なんて簡単に語れるものではない。刺激的な環境はロンドンに劣るものではないがぼちぼち記していこう。
食は重要だ。自分の作った料理の数々については別の場に譲るとして、この地のこれはやはりというものを記しておこう。
先ず、何と言ってもビール。国内に2千種以上とも言われるそれを飲み比べることは出来ないが、近所のスーパーでも相当数の銘柄が並ぶ。500ミリで100円しないとなると、これは危険極まりない。ミネラルウォーターよりも安い感覚だ。
イースターでどこも閉まっているのにただ一軒、それも絶大な人気を誇るソーセージとポテトを売るスタンドが通りの角にある。特製ケチャップとマヨネーズがたまらない。店を訪れる人が途絶えない、それも朝から夜中3時頃まで。しかしベルリンに上陸した3月22日以来食べていない。なかなか旨くて危険だから。
しかし正直なところ、申し訳ないがドイツの食文化には全然魅力を感じない。そんな中で最近のヒットはなんと言ってもシュパーゲルと呼ばれる白アスパラガスだ。この絶好の天候によって比較的安価で手に入る。これが甘くて美味しい。専用の皮むきまで売っているが皮をしっかり削がないと柔かい実にありつけない。しかし既にありつき過ぎた感が。
美味しいお店は残念ながらまだ日本料理の「宇田川」さん以外見つかっていない。食はやはり重要だな。開拓しよう。日本のお米が恋しい。日本の食文化万歳!
よい1週間を。