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March 2009

ロンドン 住めば都

薄暗く霧の多い冬のロンドンから次第に日が長くなり晴天も多くなってきたこの頃、街行く人の表情がどことなく明るく感じられる。ロイヤルバレエに再び。オケも指揮者も息が合ってきた。シーズン総公演数20回を越すその毎回のクオリティを保つのは相当大変な事だろう。バレエに目覚めた貴重な出会い。ロンドンには相当数のミュージカルテアターがあって週末は特に賑わう。Le Miserableを鑑賞。これもまたいいものだ。役者の歌唱力に脱帽。ロンドンには世界中からどうしてこんなに集めてきちゃったのかと言わんばかりの目に見える芸術・美術作品が膨大にある。数多くの博物館や美術館、ロンドンから離れたところにも素敵なもの、あそこにもここにも行きたいところ見ておきたいものはあったのだが何百年もかけて今があることを考えれば致し方あるまい。住まいから程近い所にキュー・ガーデンがある。母がかつて学んだ恵泉女学園短大の園芸科での恩師がそこで研究していたという。それは学校もある広大な園芸公園。土日は働かずしっかり休むこちらの人たちの生活は自然とこのような憩いの場を求めてメリハリを付けているに違いない。寄贈者のプレートが張られた数多くのベンチがいたるところに置いてある。ベストスポットを見つけるのは楽しい。多様なモクレンにスイセン、クロッカスは愛らしい。圧巻はチオノドクサの広大な青の絨毯。いよいよこれがロンドン滞在最後の土曜日となった。住めば都とはよく言ったものだ。物価は馬鹿高いし街は汚いし雑多なこの町を気が付いたらすっかり愛していた。多くの人とも出会って温情を受けた。人生のどこかでそのお返しをしていきたい。またいつか帰ろう。

花のロンドン

余りにブログを記さないものだから心配の声が上がってきた。この間10日のうち7日演奏会に通う。そんなに予約を取らなくても良かったのだが何故かこれもあれもと学生時代のような感覚。9日、16日、そして今日はTROの白鳥の湖。残念なことにお目当てのソリストは降板ながら、堪能。11日はLPO=Cエッシェンバッハのブラームス1番とDaniel Muller-Schottのチェロでドヴォルザーク、繊細な良い音。13日BBCはAlina Ibragimova、.リゲティのVn.協が秀悦。メインのチャイコフスキー4番は大味。14日はロイヤルコンセルトヘボウ=ハイティングのハフナー、ドビュッシーの海、ベートーヴェンの7番。巨匠の味。15日はロンドンで活躍する日本人のピアニストやマネージャーさん達と会食。皆さん逞しい。そして昨日はRPO=D.Gattiのジュピターと第九、面白い発見も。ロンドンは日本人ガ多い。ばったりとかつての高校や大学の生徒さんと会ったり。近くの公園は桜の花が満開。ロンドンで桜とは考えても見なかった。芝が青々としてきて、さまざまな生物の力強いエネルギーを感じる。花粉の意識をしなくて済むのが嬉しいl。日本は卒業式シーズンのようだ。こちらもバービカンでどこかの大学の卒業式。華やかだ。また別れと出会いの季節がやって来た。

ロンドンの春

とは言ってもまだ肌寒い。あっという間に3月、暦は春。確実に日は長くなり公園に新しい草花が植えられ始める。10日程この日記を付けずにいたら、これは大変、演奏会も何に行ったか分からなくなってしまう。その間に30万カウント達成。皆様ご来場ありがとうございます。考えてみると30万って結構大きい数だなぁ。2003年の元旦から6年余り。これまでの人生で一番長く続いている日記。さて先月26日はLSO=MIDORIの演奏会に行く予定だったのだが、急遽ある会場でメンデルスゾーンのパウロスを体験する。それは壮大なオラトリオ、エリアをまたやりたくなってきた。先週末はPO=E.P.サロネンのグレの歌、これは圧巻。いつか是非やってみたい。シェーンベルク、少しレパートリーを広げてみよう。彼の指揮、好きだなぁ。金曜日はLPOで幻想交響曲。チャイコフスキーのコンチェルトを弾いたS.Trpiceskiは良かった。オーケストラの事務局トップの人物と幕間に会う。そして昨夜はLSO=パッパーノ、ピアノはL.O.Andsnesでラフマニノフの3番、チャイコフスキーの悲愴。自在にドライヴ、良く鳴っていた。やりたいものがどんどん増えていく。日本で休み無く活動をしていたときの音楽の聴き方と明らかに何かが違う。何よりも、これだけ音楽を聴くのは学生の時以来だから。音楽は無限、しかし自身の時は有限。春だ。目覚めよう。って、別に何か変身するわけぢゃないが。よい1週間を。

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