ロンドン響=ゲルギエフの宵
ロンドンの街でも賑やかなところの一つ、ピカディリーサーカスは日本系のデパートやレストラン、食料品を扱うお店も集まる。めったに食べに行かないが昨夜は中華系の大規模なヌードル店に足を運ぶ。イギリス人と見受けられるカップルの男性が箸の使い方を女性に手解きする微笑ましい光景にちょっぴり嬉しい気分。今日は日本語版のフリー紙3種が発行される日。そこに立ち寄り、バービカンセンターへ。かつての東京音大の学生さんで見附の第九、学内のカルメン公演などで力になってくれたヴァイオリニストの宮川朋与さんがLSOの事務局の正職員として働いていることを親友の二瓶さんから知り、再開を楽しみに待ち合わせ場所へ。その学生の頃と変わらぬ周りを自然と幸せな気持ちにさせる天性の笑顔に、懐かしさと共にこのロンドンで逞しくしかも日本人が第1線で活躍していることに誇らしい気持ち。ご招待いただいて表題の演奏を一緒に聴く。前座が春の祭典。初っ端からおったまげる。かなり速いテンポ設定ながら精度の高いアンサンブル。おなじみの不思議な指揮法に先ず奏者に敬意。未曾有の語法を持つ指揮者にも敬意。後半はバルトークの青髭公の城。忘れもしないプロオケの公演副指揮デビューとして高橋啓三師匠や西明美さんともご一緒した作品。95年のことだ。バルトークの色彩感とかドラマの進行が見事。代役を見事に務めたチャーミングなElena Zhidkovaと深いバスのSir Willard Whiteも記憶に留めよう。物凄い集中力のステージはMo.ならではのもの。音楽を楽しむ条件が揃うだけに不必要な批評的な聴き方をしないでいい。深遠かつびっくりな内容のバルトークを十分楽しんだ。家に帰って11時、また料理。体型変更。(Kings Road)