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November 2008

ごあいさつ・プラハ演奏旅行でご一緒した皆様へ

 今月5日プラハ・スメタナホールでご一緒した皆様、大変お疲れ様でした。強行なスケジュールの中、本番に向けてそれぞれにご努力なさった結果が日本では味わうことの出来ないあの空間に放たれました。改めてご一緒出来ましたことを心から感謝申し上げます。それぞれの地で温められた声は、ただ歌うという次元に留まらず、あの独特の響きを持つ空間に皆さんの想いやメッセージが隅々に届けられたものと確信しています。

 皆様もきっと色々な発見をされたと思うのですが、それはあの場に居合わせなければ体感できなかったもの‥‥。スメタナホール、この春に共演をしたプラハ響の彼らの本拠地であり、2000年プラハの春国際指揮者コンクールに出演した際にも共演した幾つかのオーケストラを指揮して強く感じたことは、その地で彼らが熟成させた独自のサウンドが色濃く保たれているということです。それは単に音色のことだけではなくて、その空間で重ねられ、練られたもの、チェコ語を話す彼らの言語や大きな意味を持つでしょうし音楽的な語法も独自に根付いているものがある。彼らがどこまで意識しているのかはわかりませんがオーケストラを例にとってもグローバリゼーションの中でも保たれている何か民族性のようなものを感じます。チェコで演奏をしたことから色々と考えさせられるところです。

 今回の演奏旅行ではご同行下さった大勢のサポーターの皆様からご声援をいただきました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。 

 それぞれの合唱団に戻られて皆様がお健やかにいきいきと素敵な音楽を奏でられますことを心から願っています。そしてまたいつの日かご一緒出来る日まで。

     21th  Nov. 2008                                              船橋洋介 在ロンドン

p.s 皆さんからの沢山のメール、ありがとうございます!

 

束の間の晴天

ベルリンからロンドンに戻って住まいを替えた。恐らく再び替えることになろうが、狭いながらも快適ではある。このところ自炊も板についてきた。昨日は特製焼きそば。もやしの根をちゃんととって、にんじんにたまねぎ、何故か長細いキャベツをゲット。下拵えに1時間。食すのに10分。さらに昨日は、にんにくとトマト缶、モッツァレラをゲットし、ペンネ・ポモドーロ・ア・ラ・イングレーゼと言ったところか。これは上出来。しかし一人分を作るのはなかなかまだ感覚が掴めない。出来上がった分量2.5人前は下らない。あはぁ、食べちゃった。こちらに戻って、久々の晴天。洗濯もこんな日に大々的にやりたいものだ。しかし、ベルリンは最後に見た「ラ・ボエーム」のぶったまげ音楽、おったまげ演出に未だに記憶が残る。休憩なし、舞台も雪とクリスマスツリーを基調に安上がり。さてロンドンはこれから面白そうな演奏会がありそうだ。指揮者の記す演奏会評はうけるに違いないが、物議を醸してもいけない。大人しく心に留めていこう。ロンドンに戻ってから今日までずっと天気が悪かった。久々の晴天に思わず散歩をしたくなる。(14;06p.m.)

ベルリンの満月 Ⅱ

プラハを後にしてバスでゼンパー・オパーのあるドレスデンに立ち寄り一路ベルリンへ。恥ずかしながら旧東独の地域は初めて足を踏み入れる。第九を知り自ら歌いベートーヴェンと深く関わったのが東西ドイツ統一の頃。シラーの詩とベートーヴェンの精神に合致する部分を壁に見出す。ツアーに合流し市内観光や博物館めぐりを楽しむ。最後の夜ベルリンフィルの演奏会。圧巻。後からじわじわ来た。ラトルとブラームスのpコン、2番のシンフォニー。ばったり生徒やかつてのアマオケ団員さんに出会う。あっという間にツアーの時間は過ぎ皆、日本への途に就く。無事ベルリン組は新潟からメールで、ミラノ組は義人氏のサイトから乗り換えのトラブルを経て無事帰国の報を得る。以来、高校大学時代の後輩と旧交を温め、演奏会三昧。シュターツオパーで、コジ・ファン・トゥッテを、ドイチュ・オパーでトゥーランドットを、今夜はベルリンフィルのブラームス3・4番のシンフォニー。明日はコーミッシェ・オパーで何故かラ・ボエーム。昨日はICEに乗ってライプツィヒへ小旅行。我が心の故郷バッハとこの数年深くお付合いをしているメンデルスゾーンに会う。ベルリンでは2級後輩のトロンボーン奏者・沢野君とその奥さん、ベルリンの音大で器楽のコレペティトゥーアを務める智子さんと再会。ご自宅でご馳走になる。活躍は頼もしい限りだ。沢野君の参加するオケのリハーサルを覗かせてもらう。そこにはトランペットの具志君や付属の生徒でもあったホルンの木川君も。いよいよロンドンからの旅行も終わりに近づいて来た。この2日よく晴れていて夜もまんまるのお月さん。ご一緒した合唱団の皆さん、サポータの皆さんお疲れは取れましたか?今週一杯引きずっちゃうかな?夫々の合唱団で素敵な音楽活動を続けて下さることが願いだ。それが心から心へ届く音楽のメッセンジャーと為るべく。今度指揮棒のケースを開けるのは何時になるのだろう。これからベルリンもロンドンも雪、霧の季節。(Berlin 14th Oct.)

満月のベルリンⅠ

ロンドンからプラハへそしてベルリンに移動をして以来気まぐれ日記もご無沙汰になってしまった。沢山記録として書くべき、残すべきことがあった。まずロンドンからプラハへ。3年ぶりの地。その前は2000年のプラハの春音楽祭。オーケストラの特に弦の音色が脳裏に刻まれている。乗り込んだその地は霧に包まれて秋も深まる様相。オケとの初顔合わせ。独特の歌いまわしや、フレーズの処理、彼らの伝統なのかチェコ語の語感から来るものなのか、正直戸惑いもあったのだが良い方向に持っていこうという互いの意識は同じベクトルを求める。オーガナイズの稚拙な対応は取り敢えず予想の範囲内として粛々と。何はともあれ、日本から来て下さった愛すべき合唱団の皆さんへ、そして最も尊敬する音楽家の一人、伊原直子先生、3年前に都響さんで共演して以来の望月哲也君の素晴らしいソロと、新潟出身の逸材・奥村愛さんのヴァイオリンに心からのありがとうを。かつては自身が合唱指揮を兼ねたものだったが今回ははっきりと役割を担っていただいた山本義人さんとpianoの八木智子さんにも感謝。ウィーンからお手伝いいただいた奥村さんに木下さんも。あの空間で色々な想いの詰まったモーツァルトを経験できたことは記憶に刻まれよう。プラハで学んでいる指揮の大井君と再会。きっと彼には同業者の事情は一番読み取れるものがあったに違いない。何だか何時始まったのか何時終わったのかわからない打ち上げ。今回は明くる日の人骨を芸術的に造形した教会巡りの他は全く市内観光らしいものは出来なかった。チェコフィルの演奏会を聴く。クーベリックとかノイマンとかのイメージが強すぎて肩透かしを食らった。でもあのドヴォルザークホールで振ったプラハ放送響との全く同じマーラーの1番を客席で聴くその偶然にしては出来過ぎのひと時。プラハから帰国組、イタリアへツアー組みとお別れ。夫々の道を歩む? その1終わり。(Berlin 14th Oct)

日照時間

小学校に上る頃か、ウォータールーの戦いという曲を好んで弾いていた。大砲の音とかが出てくるその曲は今考えてみると全く音楽的にはいただけないものだったな。ベルギーのその戦いの地と関係も当然あろうウォータールー駅は、最近までドーヴァー海峡を越えてパリまで直行のユーロスター始発駅だったということが何故か興味深い。演奏会三昧も一段落、日曜日はフィルハーモニア管と名匠クリストフ・フォン・ドホナーニの指揮でメインはベートーヴェンの英雄。ブラームスのハイドンヴァリエーションではじまり、コンチェルトが圧巻。フランク・P・ツィンマーマンのシベリウス。見事。アンコールもあれは何だ?イギリス国家の変奏曲を超絶技巧だけど、味わい深い音色と音楽で聞かせる。ロイヤルフェスティバルホールは満員。ウォータールー駅周辺は帰るお客さんで賑わう。サマータイムが終わり一時間の時差でこれだけいろいろと変化を感じるのもかつてない体験だ。霙交じりの雨が降った。今日の日の入りは16時30分頃。これから日の出も遅くなっていくようだ。冬の朝はは真っ暗で子供達の通学が危ないと話していた。でも日中、その短い中でも雲ひとつ無い青空を見ると幸せになる。今日はハロウィンで大賑わい。爆竹かい!。日本も当然秋が深まって移ろいを味わうころだな。どうぞ良い週末を。いよいよプラハ行きだ。現地でお目にかかる皆さん気をつけていらして下さい。(Mallinson Rd 31st Oct.)

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