« May 2008 | Main | July 2008 »

June 2008

身体の要

週明けの月曜日、メールと電話の嵐。夕方初台へ都営新宿線で向かう。東京フィルさんとの2時間のリハーサル。2回分の演奏会プロをじっくりやるには短すぎ、かつ本番何時だっけというもどかしさ。さらに情けない腰の事情。踏ん張れないんじゃ指揮者は務まらない。今日も思うような音が出ない。粛々とリハを進める。時間切れ。続きは現地で来月7日から。何だか沼尻さんのような指揮者が見ていたような気がした。5年と6ヶ月、この稚拙な雑記も続けると続くものだ。たまにでも覗きに来て下さる皆さんのお陰です。毎日来て下さる人もいるらしい。敬礼。(23日池袋23:49p.m.)

通し稽古in見附

朝からの稽古に備えて前乗りして正解。急遽来て下さることになった伊原先生と合流をして雨の見附へ。残念ながら本番会場ではないが中央公民館のホールは結構広い。Ⅰ幕から順に全幕を進める。合唱の無いところも敢えて通していく。合唱指導と演出の菅野先生全開のパワフル牽引。昼は皆で食事をしながら打ち合わせ。高橋さやかさん合唱団に初顔合わせ。何でもそれが大事なのよ。ちゃんと皆に紹介をすること、然るべき人に会わせてあげること。肝に銘じて。帰り伊原先生とは別の新幹線になってしまったが阿部君は良いお話を聞かせていただけたようだ。駅で大急ぎフレンドのチーズイタリアンをゲット、新幹線で香りを車内に振り撒きながら頂く。ブォーノ。けどどこがイタリアンなのだろうか。(23日池袋23:30p.m.)

立ち稽古

体勢を変えると激痛が走る。まだ宜しくないのね。何だか良く見慣れたそこは某音大、その一室でカルメンの立ち稽古。ミカエラ役の高橋さんと井ノ上先生の絡み。素晴らしいテノールだな。改めてそう思う。長岡でヴェルディのレクイエムを振った際のソリスト。人間的にもおおらかで音楽はやはり人でしょ。少し早めに終わったので、ゴロゴロと一緒に移動。大宮から新幹線に乗り込む。遅くなったので駅弁ゲット。腰も痛いしと思ってチェックインしたらニューオータニさん、先日お願いして日も経っていなかったからか、ベッドに板を敷いて下さっていた。凄~い!感謝。(池袋23日23:21p.m.)

完売の報

本番を終えて数日、少し身体を休めないといけない。静養が腰にも一番良いという。来月のカルメンは早くも前売りが完了との知らせ。嬉しいなぁ。820位のホールで更にオケのピットを作るとなると余り大勢のお客様に楽しんでいただくことが出来ない。そのために前日に1幕のみ公開ゲネを企画した。例年の第九前日に行う企画の発展形。国内での再来年のオファーが入る。う~ん。大阪の名物、水ナスを毎日美味しく頂く。醤油をちょっとたらしてご飯と最高に合う。日本人だなぁ。ビールにも合う。(23日23:10p.m.)

8日ぶりの我が家

殆ど手ぶらで東京へ。大阪から美味しい水ナスが届く。池袋に配達されていたのだが不在で電話が入り転送してもらった。何と気が利くサービスだろうか。ホテル住まいの一週間から久々の我が家。便利だったが古くても自分の部屋、枕はいいものだ。ニューオータニ仕様の板は無いので親父の製図版をベッドに。完璧。硬すぎ。ロシアの子供達からもらった四季を彩った起き上がりこぼしを眺める。ようやく腰をめげられるようになった今の自分のようだ。この先にある本番の楽譜調達をする。手紙の山。着替えの山。譜読みの山。メールの返信も出来ていないし、お世話になった方への手紙も書けないでいる。あれ?時間作れる様になったんじゃないの?と自分に突っ込む。いやこれはそんな計画をしていた頃に入ったお仕事の流れで、とか答えにもかわしにもならない状況。いつの間にか時間切れになってしまわないうちに。(6・24)

リリックホールの舞台

殆どホテルの部屋でデスクワークならぬベッドワーク。気が付くと夕方。ちょっと元気を出して小嶋屋さんに蕎麦をいただきにゆっくり出掛ける。お迎えが来てリリックへ。モーツァルトレクイエム合唱稽古。後半の部分を歌う。一週間前にロシアと長岡の子供達と本番をした舞台。まぁ贅沢な練習。合唱の響きをもっと集めたい。東京はどんな状況だろうか。何となく上手に歌えましたっていう次元では本番はやりたくないものね。もろもろ原稿の校正をする。安静第一と言われているがそうも言っていられない。練習後は会食、楽しい面々。滞在中ホテルフロントやお姉さんにお世話になる。いざという時に頼れる座薬君は枕元において置こうとふと握り締めたまま眠ったら最後、原形は何処へ?あはぁ。(1日1:50a.m.))

鋼のようなベッド

長岡滞在。定宿ホテルニューオータニはもう20年近くお世話になっている。こんな状態なので固めのベッドをとお願いしたところ板をベッドに敷いて下さった。部屋でベッドメイキングのお仕事を拝見。夕方見附への途中衣料量販店にて必要なものを買い足す。ソリストを先に稽古、時間は有限。だから今やらねば。合唱ともひょっとするとあの小ホールでの練習は今日で最後?あっという間に構想からどれだけ経ったのだろうか。カルメンの公演まであと10日余り。いいテンション。短い指揮棒で、ちょっと意識的に省エネしてみたのだが、視界はもっと遮られるし寧ろ良かったかな。夜は打ち合わせ。背骨の形を意識しながらカチカチのベッドで休む。(1日1:39a.m.)

行きは良い良い帰りのいなほ

マネジャーが取ってくれた列車まで休息。ホテルで両親と水入らずっぽく昼食。そば、麦きりと鶴岡のしばしの思い出を。いなほは揺れるのよん。やはり本番って言うのは特別な状況にあるのだろう。身体的な運動そのものよりも音楽の持つエネルギーを追い求めることに専心しているお陰なのか、その時は平気。一晩明けて正直この日の痛みは線路の凸凹との戦い。新潟から長岡で両親と別れる。カルメンソリスト音楽稽古。長岡市民合唱団はひと月ぶりに副指揮者をつとめる。「瞳」の譜読み。情報を得た皆が気遣って下さる。何とも情けない。会食、少しならいいんじゃない?ということになって我慢していたビール。心の中で一人打ち上げ。長尾さんの気持ちが解る今日この頃。休める時に休まねば。(1日1:30a.m.)

フォーレのレクイエム

朝ご飯を食べないと力が出ない故バイキングでご飯と味噌汁、とろろ何ぞをチョイスし頂く。腰のことは出来ることなら団員の皆さんには黙っておきたかったのだが、とにかく多大な迷惑を掛けてしまった。指揮者は代理を立てられないものと責任を実感。午前のゲネプロ。本番前に3人目のお医者様がブロック注射を打ちに来て下さる。大きなコルセットを巻きいざ出陣。東京から両親も応援に。きっと朝早く出てきてくれたのだろう。前半のフォーレのレクイエム。何て品の良い音楽だろうか。交わって練習していない合唱団が一夜でそこまでまとまったこと、かつてこの第九に大抜擢をしたソプラノ田中麻理さんの一時帰国凱旋ステージ。いい勉強を続けているようだ。ピエ・イェズその素敵な一曲に華。後半のオペラはなかなか合唱団も活き活きと歌う。そして高校生、一つの目玉だったがコラボレートは正解じゃないかな。手拍子の拍手もアンコールを期待してくださっていたような。鶴岡の皆さんの温かさとオケの好サポート、アドレナリン、そしてこれまた温かいお客様と音楽の力のお陰で演奏会を務めることが出来た。感謝。これまで10年以上指揮を執らせていただいた。この時代の流れと共に状況が変わりつつある中での交流合唱団のあり方と意義を改めて問う。挨拶では複雑な心境ゆえ、多くを語れなかった。打ち上げで富塚市長と会談。使い勝手の良いホールがいつか建つと良いな。アトラクション鶴岡の混声合唱にしばし聴き入る。またご一緒できる日を楽しみに精進しよう。(1日1:11a.m.)

試練の時

激痛。明け方だったかよくわかっていない。とにかく身体が動かない。これがぎっくり腰とは後で認識をするが未だ味わったことの無い感覚。時間ばかりが過ぎていく。恐らく2時間位掛けてやっとの思いで起き上がる。朝食も、楽しみにしていた屋上の温泉も行けないぢゃんなんて思いながら約束の時間に荷物をまとめ出発。薬局によっていただこうと思ったが昼食の後にお医者にお連れ頂く。時間を繋いでいただき高校生の歌声を舞台で聞く。元気が出る。爽やかだな。N響団友オーケストラのメンバーを前にオケのリハーサル。青学を振っていた15年前にお世話になっていた田渕先生がコンマス、鶴岡の渡部先生やそれはそれは個々に列記すれば「ほう~」と感心しちゃう面々。痛みの為かそちらの緊張も軽減?夜は合唱も合流して9時までオケ合わせ。知らぬ間に江戸川合唱のメンバーも合流。今ある条件の中で皆がベストの方向に音楽を進めようと努める。多くの人の想いを受けて。闘い。長い一日。夜ホテルに整体師のお医者様が往診に来て下さる。全てを委ねる。これって厄年?(29日長岡1:08a.m.)

いなほ

朝方、鶴岡の団員さんから電話で目を覚ます。JRのダイヤ乱れを知る。とは言えマネジャーさんの取ってくれた旅程を基本に長岡駅で駅員と話し、新潟から先の接続を確認。十数分遅れで無事鶴岡へ。途中いなほ号の車窓は日本海や緑の眩しい山々の景色らしきをうつらうつら。とんでもない揺れ方をする瞬間に目を覚まし、腰をかばう。幾つかの荷物を長岡のホテルへ残し鶴岡へも前もって宅配。鶴岡のメンバーのお出迎え。ゆったりと時間を過ごすことを身体も心も望んでいた。夕方市内の「知憩軒」という農村の食と暮らしを謳ったお屋敷で土地のものをご馳走になる。写メ大会。このときは、本当に心底ほっとする瞬間を味わう。食について、また語りたい。庄内の味覚。そこから市民会館へ。舞台を使って合唱の稽古。夜は会食。ちと恐る恐るでかい牡蠣を頂く。旨い。庄内はさくらんぼの時期だ。(29日長岡0:37a.m.)

ロシアの子供たち

原稿書きもほぼ目処が立つ。長岡に連泊。午後はリリックホールに出向き「アムールの虹」の子供たちと対面。ロシアの少年少女達。打ち合わせやらリハーサルなどを経て本番。子供達の歌声はいいな。言語からくるのか発声のポイントが若干違うがそれはそれで実に良い。相当強硬なスケジュールをこなした最後の公演とあってかなり疲れは見えていたが、それもお国柄か厳しく統制の取れたアンサンブルは何とか保たれていた。Drドゥレイリンク氏の一人ひとりを大事に良く見て、時に厳しくしかも優しい指導者としての顔に触れ得るものがあった。可愛い子供達と写真を撮ったり、ちょっと10年前までの滝野川や見附の子供達を思い出しつつ、何といっても敢えて会場でも話したが、長岡少年少女合唱団が中村さんの指導で着実に良い方向にあることに嬉しく、企画を進めて良かったと思える一夜だった。かみかみの司会も何とか及第点かな?大手町でゲットしたシールを女の子に、長岡ダイエー跡のお店でハンカチをゲットし男の子にプレゼント。こちらも陶器の時計や音の出るおきあがりこぼしをお土産に頂く。ホテルに着いてお腹が空いていることに気付きゲストハウスで牛を食べる。長岡の子供達が思い切り元気にロシアのバスを見送る光景が焼きついた。(28日1:35a.m.)

長岡プロデュース事業

少し寝た実感。午後大量の荷物を宅配に出し、東京駅丸の内へ。これまでなかなか時間が取れずにいたが急いでマルビルのロフトで可愛いシールを大量にゲット。丸善で絵本みたいな露語会話集を求め長岡へ。リリックホールへ出向く。長岡少年少女合唱団の子供たちの歌を聴く。明日のためのリハーサルだ。なかなか良い反応。力が付いている。その後2時間財団職員と今後の打ちあわせ。昨年度はこの3月に音と楽しむワークショップを主宰したが、今回は合唱。声。市民や子供たちが参加し体験できるものが良いと考える。明日のコムサモリスク市の「アムールの虹」合唱団と長岡の子供たちとのコラボレートが楽しみだ。駅前の居酒屋さんでげんぎょのてんぷら。美味。本体は変な顔しているんだろうなぁと思いきや白身ぷりぷりでご機嫌。ホテルに戻って原稿書きを進める。(28日1:14a.m.)

ロシア少年少女合唱団「アムールの虹」演奏会ご案内!明日!

長岡芸術文化振興財団の企画事業「船橋洋介プロデュース:長岡とロシアをつなぐ子どもたちの歌声”アムールの虹”演奏会」が明日!19時より長岡リリックホールで行われます。9歳から17歳の子どもたちの歌声と共に、長岡少年少女合唱団のコラボレートも楽しみです。小生も幾つか指揮をさせていただきますが、是非お客様で一杯のコンサートにしたいと思います。長岡・見附・新潟のみなさま、(もちろんどちらからでも)どうぞ爽やかな子どもたちの歌声をお楽しみ下さい。

要整理券。お問い合わせは長岡リリックホール0258-29-7715までどうぞ。船橋洋介

生活リズム

長岡の来月指揮する3公演のプログラムノートを書いている訳だが、果たしてその道のプロに任せるべきではと思いつつ、それでも演奏会に対する想いや、作品のことを指揮者自ら少し語りたい気持ちもあり、特に財団アドヴァイザーとしては誰にでも任せられるというものでもなくいつもならやらない徹夜などをするわけだ。一文が長すぎる。と、まとまらない頭で仮眠中にJAから電話。またリフシッツ。タイミングが良すぎるよ。断っても良いのだがピアノを貸す。見附で必要な電池式の譜面灯を注文。4月長岡のブノア日本初演、音楽の友に記事。そういえばまだ国際ブノア財団から名誉何とやらの称号って送ってこないなぁ。来月の見附カルメンのオーケストラパート譜を作り、皆の往復JR指定券を求め、袋詰めにして東京中央郵便局から郵送。相当な重さだったな。以来余り休めていないらしい。(28日1:02a.m.)

原稿書き

全く人の身体は良く出来ているもので、前日夜更かしをしたらちゃんとそのモードになってしまった。午前中はほぼ使い物にならず、昼から遅ればせながら全開。ずっと気になっていて愛車17万キロのカムリ君に今日はエンジンオイルを飲ませようと連れて行く。いろいろ調べてもらうとあちこちガタが来ているがもう暫くは仲良くできよう。埼玉の50代の男性から嬉しいメールが届く。それはいい音楽会だったというものなのだが、2000席のお客様の中でお一人でもそんな思いで聴いて下さったならそれは指揮者冥利に尽きるという内容のものだ。かつて小生のレッスン室に顔を出していた後輩が世の中に出始めて来ている。41にしてサントリーデビューは遅いのかどうかは知らないが、自身の奏でる音楽が誰かに、心に届いて元気になって下さったり、その音楽を求めて下さる人がいるとするならば、やはり踏ん張って信じて更に前に進もうと思う。ありがとうメールにありがとう。池袋にて数年ぶりの貫徹。(28日0:48a.m.)

クウォーターズクラブ チャリティーコンサート ご来場の皆さま、関係者の皆さまへ

梅雨晴れの先週土曜日、東京・赤坂サントリーホールで行われました、クウォーターズクラブ主催 20thチャリティコンサートには大勢のお客様にお運び頂き、全ての出演者に温かい拍手を賜りましたことに心から厚く御礼申し上げます。

これまでの色々なご縁が今回のクウォーターズクラブ(四分一勝代表)チャリティーコンサートでの指揮を執らせていただくきっかけとなりました。音楽評論家の奥田佳道氏には過分なるヨイショをもってご推薦いただき、四分一さんをはじめクウォーターズクラブの皆様との出会い、そして日本を代表するアーティストの皆様とのコラボレートの貴重な機会をいただき、光栄に存じます。

心のある素敵なアーティスト達を大切に見守っていらっしゃるクラブの皆様と、そこに集うお仲間が共に「良い方向に」磁場を引き寄せ合ってコンサートを創る、その想いに僅かでもお応え出来たなら幸せに思います。寄せ集めて打ち上げるという次元では全く無い、様々な想いを感じつつ、小生自身にとって新たな原点を見出すかの時間となりました。スタッフの皆様、我がままにお付き合いを下さったアーティストの皆様、そしてご声援下さった会場の皆様に改めて心から感謝申し上げます。またご一緒させていただける日を楽しみに精進して参りたいと思います。

   2008.06.16                           船橋洋介

赤坂三昧

赤坂での刺激的な打ち上げは4時前にお暇をしてきたが、きっと朝まで続いていたに違いない。タクシーでANAに戻って白んでいく東京タワーを眺めて休むも、第九だったかモーツァルトだったかいつもの如く寝ているでも起きているでもないような妄想のような感覚で朝を迎える。というかそもそも既に朝だったので仮眠というのかな。仕事をキャンセルさせていただいて正解の日曜日。正午にチェックアウトしてラウンジでゆったりとビュッフェのランチを頂く。不思議と食欲がある。あれだけ呑んだのに、良いお酒だったって訳か。のんびり都心を走らせ日曜の皇居周辺や時間に追われない移動、行き着いたのは池袋の我が別宅。正直なところその雑居ビルの一室は気が休まるところではない筈だが、自分の小さな城には違いなくふと肩を下ろす感覚。既に次のステージの準備は始まっている。そんな繰り返しが指揮者人生かな。早速名前からブログを探し当てて下さった方からメールが届く。幸せ者だ。(27日22:38p.m.))

サントリーホール・デビュー

いつものように燕尾と楽譜を揃え車で赤坂へ。打ち上げのお誘いも頂いていたので今日はサントリー隣、ANAホテルに一泊。部屋に荷物を入れ、もう何十回と足を運んでいるその楽屋口に今日は本番を司る指揮者として乗り込む。ちょっとわくわく。クウォーターズクラブ20回記念の演奏会。全員揃ってゲネを出来なかったりしたのだが、その伊藤恵さんの読みの深さを感じながら、バランスを取りつつ最後の1時間で総リハーサル。気が付くと本番30分前。何だか非常に慌しい楽屋。本番は、かつてのウィーン・ムジークフェラインザールのように何故か要らない緊張も無く舞台に導かれていった。第九も今そこに流れている時が愛おしいような瞬間がいくつもあって、必死だったんだろうけれど間違いなくそこには音楽があった。お付合いを下さった全てのアーティストに心からのありがとうを。楽屋に最後まで居留まり、シャワーまで浴びちゃう。またここで指揮が出来ますようにと念じつつ。赤坂の四分一邸地下バーにて色々な業種の方との出会い。また新たな原点を今日は得た。出会いと感謝の一日。(27日22:20p.m.)

窮屈なオケ合わせ

2年前のこの日、お世話になった尊敬する岩城宏之先生が亡くなられた。小生に対して与えて下さった影響も大きい方だった。偉業を想い心の中で改めて冥福を祈りつつ、芸劇地下へ。2日前の合唱稽古だけでも手狭な会場。伊藤さんとコンチェルト合わせ2日目。当日問題になるかも知れないところのバランスをチェック。団員さんとニュアンスについてディスカス。第九は合唱オケソリスト総勢170名定員オーバー。良く収まったものだ。音は飽和状態。解放してあげたい気分。小生のところだけ集中豪雨を浴びたように汗。ソリストも錚々たるメンバー。合唱は再びバランスについて指摘。サントリーでどの程度補正できるだろうか。ただの絶叫型だけは避けたい。この日もクウォーターズクラブのメンバーが椅子の片付けを最後までやっておられた。練習後部屋に戻ろうとも再びリフシッツ氏が練習中。サントリーにミューズが降り立ちますように。(27日0:06a.m.)

伊藤恵さんと特別編成オケ

午前中は家で過ごす。夕方家を出て新宿文化センターへ。ピアニスト伊藤恵、初対面。音楽の説得力、やはり最後は人間性じゃないかな。穏やかなその人柄と内に秘めた確固とした信念のようなものをとっさに感じる。コンマスは尊敬する奥田雅代さんはじめ、凄いメンバー。究極のアンサンブルコンチェルトとでも言おうか。邪魔しないようにアプローチを。第九は藤原浜雄先生を筆頭にN響、読響、都響はじめ首席クラスの豪華版、錚々たるオケメンバー。手狭な新宿文化のリハ室はいい音で溢れる。実は未だこれがベストと考える先達の「第九」の演奏に出会っていない。だからいいのだと自らに変な鼓舞をしてみたり。我を信じるのみ。ひょっとしてメンバーの威圧感みたいなものを感じちゃうのかとふと想像したりもしたが、寧ろその場にいられることに感謝の念が沸いたり、音楽を前にそこに集う皆が謙虚にただベストを捧げようみたいな空気を感じた。リハを終え何故か無性にカレーを食べたくてそんなお店に飛び込む。(26日長岡8:37a.m.)

第九合唱初顔合わせ

良く晴れて暑いくらいの一日。午前中は家で時間を費やし午後から来るまで池袋へ。クゥォーターズクラブの第九演奏会に向けて初の合唱リハーサルに伺う。我がオフィスから歩いて6分の東京芸術劇場地下リハーサル室。この日まで色々な情報から余りにも女声が少ないことが判り、小生自身もかつての教え子さんやそのつながりで急遽6名声を掛けていた。音大の合唱の授業ではそれでも少ないながら、作品雄背景だの歌詞の中身だの、ハーモニーの作り方だの学生さんに時間を掛けていたことをふと振り返る。余りにも短い時間の中なので、夫々が作品への想いを温めて会しているということを前提としたリハーサルを。およそ100名の合唱は出だし好調故、ひょっとすると効率よく早めに終わったりと考えたがやはりそうは行かない。きりが無い。男声のバランスが鍵だ。若い声が何処まで集まってくるか。冒険ながらも楽しみな時間。(長岡26日1:12a.m.)

モーツァルトのコンチェルト

家を出ると軒先に所狭しとプランター、ピンクだの黄色だの競って魅せ合っている。自然の生み出す色の癒しを感じる。庭と言っても車一台分くらいだろうか、そこからジャガイモの収穫。直径2センチくらいの一つ。しっかり朝の味噌汁に。可愛いものだ。クゥオーターズクラブの演奏会、前プロが変更になってベートーヴェンの3番からモーツァルトの24番になった。いやいやこれは素晴らしい作品。c-mollを貫いて小生も弾き振りしたことのある前23番のA-durと同時期に書かれたとは思えない厳しさやモーツァルトの悲愴感を漂わせる。ピアノは必ずしも全て前面に出ることなく、古典フル編成の管楽器のアンサンブルの妙を味わいつつ進められる、これを選んで見せた伊藤恵さんとの出会いが楽しみでもある。(25日長岡16:34p.m.)

リフシッツ

雨が激しく降る。彼はロシア人かな。何度もリサイタルやヴァイオリニストとの共演で来日しているリフシッツというピアニスト、我がレッスン室を貸して欲しいと急遽、我がマネージャー女史から電話。狭いし調律もご無沙汰だが、困ったときはお互い様、原稿書きを中断し部屋を空ける。公演の成功を祈る。余程でない限り自分の楽器を使うことは無いピアニストと言う職業、指揮者の持つ初対面のわくわく感みたいなもの、楽器との出会いにもあるに違いない。と言うより寧ろコンディションの良いピアノに出合えますようにと、祈る気持ちだろうか。(長岡25日15:41p.m.)

秋葉原の惨劇

穏やかな日曜の昼下がり、そんな凶悪な犯罪が起きていたとは知らなかった。と言うのもそのわずか3時間後に靖国通りから現場に向けて右折しようと思ったが、いつもの歩行者天国をやっているのに気付いて迂回をしたのだ。緊急車両が沢山、警官も街中を警備。何がそんなまでにさせたのだろうか。極めてレアな事件だとしても現代日本の社会が生み出した歪みだろうか。車を置いて池袋で喫茶店に入り楽譜を読んだりする。閉店間際の西武地下、いつものカクテキをゲット。(長岡25日15:29p.m.)

コンサートのご案内

梅雨の季節、いかがお過ごしですか?

さて来週末、東京赤坂・サントリーホールでコンサートがございます。

伊藤恵さんのピアノでモーツアルトの24番のコンチェルト、そしてベートーヴェンの第九を読売日本交響楽団ソロ・コンサートマスター藤原浜雄をはじめ在京オケ、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団他、ソリストとして活躍されているプレイヤーを含め特別編成オーケストラと、さらに澤畑恵美、永井和子、上原正敏、成田眞と、日本を代表する声楽陣に加え、今回のために特別編成された合唱団と共にお送りいたします。

この演奏会は主催クオーターズクラブの20回を記念する演奏会で、これまで毎回素晴らしい音楽家とのコンサートを通じて収益金を離島の子供達に音楽を届ける事業に還元しています。

今回ご縁があってこのようなコンサートの指揮を執らせていただきます。是非お出かけ下さい。そしてご声援下さい。

2008年6月14日(土)開演18:30 於:赤坂・サントリーホール

S:7,500- A:6,000-  B:5,000- P:3,500- 

お問い合わせ:クオーターズクラブ事務局 ticket1@qts-club.jp

ホームページ http://2008.qts-club.jp/

チケットは小生にご連絡くださってもご用意いたします。

yf2784@nifty.com 

東京は寒暖の差が激しいこの頃ですが、どうぞお健やかな毎日をお過ごし下さい。

2008.06.05                          船橋 洋介

ドイツ・ロマン派音楽

ベートーヴェン、モーツァルト何れも大事な、そしてバイブル的な作曲家だ。好きとか嫌いの問題では無くて、ある種その作品は神々しい存在に思えることがよくある。そして、ここ数年シューベルトやメンデルスゾーンはしばしば取り上げる。シューマンは余りまだ踏み込んでいないがいわゆるドイツ・ロマン派に分類されるそれらはピアノの音楽や歌の作品と共に随分付き合ってきたが、実はメンデルスゾーンのこと、若いときは好きな作曲家ではなかったかも知れない。メロディが余りにも平易過ぎる印象があったのだろうか。捻くれていたのかな。薄っぺらな印象を持っていたようだ。そんな音楽の好みもその作品とのお付合いの仕方、歳とともに変わるものなのかな。和声の綾、歌の運び、何だ、結構好きなんじゃない?と演奏の理想を追い求めつつ新たな発見をした。さくさく移動を開始したらお土産は駅で冷凍の桜海老に釜揚げしらすのセットのみ。否充分。眼鏡屋さんに立ち寄る。軽い。(10日1:10a.m.)

沼津の夜

3日間6公演と言うのは会場もプログラムも対象も違う中でオーケストラも結構大変なことだと思う。クオリティーを大事にしながらその1回ごとに、実は物凄い潜在的なエネルギーに生まれ変わる可能性を充分秘めている1時間だからだ。そして今日は再びオーケストラのリハを見学。行きに出来上がってきている筈の眼鏡を取りに行きたかったのだが残念。オケの団員さんと軽く1杯。東京駅で久々の東海道新幹線に乗って三島へ。乗り継ぎ沼津はかつて伊東のオケの帰りにしばしばお寿司を食べに寄ったものだ。寄ったというよりそれを目指して車を飛ばしてもらう感じ。伊豆半島って結構広いからなぁ。宿について宿の寿司割烹で夕食。なかなか美味でした。店では女性ばかりの宴会があって、ちょっと落ち着けなかったが、まぁそんなこともある。身体の異変も感じマッサージを探して集中的に解してもらう。正解。(10日0:57a.m.)

北区の小学生

3日目のこの日は池袋から車で20分、王子駅前の北とぴあの大ホール。都響さんとの音楽鑑賞教室。北区の小学生、いい子達だな。そうか、10年教えていた滝野川少年少女合唱団のある町だ。合唱団は大濱先生の勇退後面影すらなく、どうなっちゃっているのかさっぱりわけがわからないが、そもそも子供たちは皆光るものを持っているのだ。だから大人が導いていく重要性を感じる。朝岡さんに返すレスポンスも極めて子供らしくて気持ちがいい。昼に近くのスーパーで大分の温室みかんをゲット。これが無茶苦茶美味。元気を得て午後も。オーケストラの皆さんに改めて感謝。お世話になりました。(10日0:45a.m.)

中野の中学生

音響の良いなかのZEROホール。朝10時半から都響さんと音楽鑑賞教室2日目。小生のかみかみ司会付き。朝岡タッチで行こうかと考えたが踏みとどまって正解?中学生が良く話を聴いてくれていたので有難かった。スターウォーズのメインタイトルにはじまり、直ぐ「運命」楽器紹介をはさみながら、カルメン第1組曲、メインは火の鳥のカスチェイから終曲へと続く。ほぼ予定通り1時間3分。昼休みに隣のホームセンターに立ち寄る。楽譜の収納箱をゲット。この汗、脱水特に口の渇きは、司会しながら指揮というのはなかなか厳しいものがある。それでもこれまでに数多くの音楽教室を指揮させてもらったが、所によってはそれなら小生自ら下手でも喋らせてもらったほうが良いかな、と思うこともしばしばある。オーケストラのカラーが出るところだな。移動して池袋某所でミカエラの音楽稽古とホセ、カルメン、ミカエラの立ち稽古。なかなかハードやなぁ。(10日0:33a.m.)

青梅の小学生

梅雨空の昭島から福生市民会館へ。都響さんとの音楽鑑賞教室、今回は小学生。同じ月に2度ホールが一緒なのも少し珍しい。司会の朝岡聡さんと楽屋を共にする。バリトンのソロも入る今日のプロは、小学生には良い感じだ。朝岡さんの軽妙トークを参考にしつつステージが進む。小学生も良く聴いてくれていた。毎回ながら「運命」は何度やっても難しい。2回公演を終えると脱水症状。1stヴァイオリンに母校の生徒さんが聴きに来ていたと団員さんを紹介。そんなエピソードがいいなぁ。(10日)

はやめの入梅

余り好きぢゃないこのジメジメ感。かつて南回りでヨーロッパに渡ったときにシンガポールを経由したことがあった。トランジットに時間があったのでオプションで市内観光をしたことがあったが、あの気温と湿気には正直辟易した記憶がある。生まれつきあの環境なら自然と慣れちゃうんだろうな。昼からオーケストラのリハーサルを見学。ベートーヴェン以降のロマン派はもっと踏み込んでレパートリーにしたい。予定よりも早くリハーサルが終わったので池袋に立ち寄り楽譜を求め、次の本番の地へ。少々贅沢ながら再び前乗り。夜は肉を食す。かつてはそんなに気にしていなかったのだが汗かきの小生にとって梅雨は体力の消耗が激しいらしい。(8日池袋21:10p.m.))

見附舞台稽古

ホテルつるやさんで朝食を摂り、見附エクスプレスで1停留所市役所前まで大荷物を携え移動。既にホールにはリノリューム貼りにスタッフが集まっている。アシスタントのお弟子に号令をかけてもらいながら1時間余りでたたき台となるリノ貼り完了。お昼には団員さんの作って下さった美味しいおこわや山菜などを頂きながら昼食と打ち合わせ。ドン・ホセ初登場。歌や音楽は勿論人間的にも素敵な井ノ上さんはメイクのアドヴァイスもして下さる。バレエ登場。市内の関係する2団体のプランを演出家と共に拝見する。一方は全員揃わず良く解らなかったが、もう一方は1年半前にご一緒したアーティスト集団、音楽の意図を良く理解して下さり、より突っ込んだ打ち合わせが出来た。更にご準備いただけるとのことで本番が楽しみだ。最終の新幹線。なかなか長い一日だったな。もう日がなくなってきた。(池袋8日21:02p.m.)

« May 2008 | Main | July 2008 »